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【状況シーン】 ある会社員が、取引先からのクレームに対応することになった。相手の会社まで出かけ、担当者と向かい合わせに座ることになったが、資料を入れたカバンを机の上に置き、相手との会話の最中、ずっとあごを引いて身を縮こまらせています。 【会社員の本心・心理】 その会社員が自分と取引先の担当者の間にカバンを置いたのは、自分を守ろうとする防衛本能に従った結果といえるでしょう。机の上に置かれたカバンは防御壁がわりのシンボルです。 誰でもクレーム処理などしたいとは思いません。相手からイヤなことを言われたり、厳しく責められたりする可能性が高いです。それがわかっているから、その会社員の心の中に、相手と距離を置きたいという思いがあり、その思いが、机の上にカバンを置くという行動をとらせたのです。 ★つまり、相手との間の空間にモノを置くというのは、相手を拒絶することを象徴するしぐさなのです。 だいたい、その会社員は自分の会社を出てその会社に向かう道では、足取りがひどく重かったはずです。人間は、自分が率先してやりたいことがあったり、会いたい人のところに行くときには、足取りも軽く、速度もあがるものです。 しかし、行きたくないところへ行くとなると、トボトボとしか足も進みません。まして、相手の会社に着いて、会議室に案内されるときには、まさに処刑台に向かうような気分だったに違いありません。 そして、会話の最中にとっていたあごを引くという姿勢も、典型的な防御の姿勢です。何かの脅威にさらされると、多くの動物が体全体を丸めて敵から身を守ろうとしますが、それと同じ心理があごを引くというしぐさを生み出しているからです。 |
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