|
敗北や恥辱は誰でも受け入れたくないものです。とくに自我意識の強い人、神経質な人、要求水準の高い人は、自分の弱点を何かで補い、他人よりも優れているとか、少なくとも人並みだと思いたいと考えているものです。 肖像画にも残されていますが、ナポレオンが人々の前に姿を現すときには、たいてい白い馬にまたがっていたそうです。それは、彼が背の低いことに対して強いコンプレックスを持っていたためだといわれています。 このように、コンプレックスがストレスの原因になっている場合、それ以外をうまくこなすことで快感を得て、それでストレスを解消しようとする心の働きを「補償」と呼びます。 自動車好きの人などが集まると、だいたいは、背が低い、太っている、髪の毛が薄いという、いずれかに当てはまる人が多いそうです。彼らは自分の容姿に強いコンプレックスを持っていることが多く、その補償として、高価なスポーツカーを手に入れたのではないでしょうか。 ★カッコいいスポーツカーの助手席に美しい女性を乗せて走れば、ルックスがよくても金のない若い男たちが安い国産車でデートしているのに対し、優越感を抱くことができるからです。 補償が良い方向に昇華されると、学術・芸術・音楽などで素晴らしい結果に結びつきますが、劣等感に囚われすぎて優越感を味わいたいという欲求が強くなりすぎると、借金をしてブランド品で飾り立てたり、やたらと専門用語を多用して相手を煙に巻くような人になってしまうことがあります。 |
|
|||
Copyright (C)2015. 一瞬で見抜く性格・本性・心理 All rights reserved. |